疲れやすいを治したい、原因に心当たりがない人へ

読者像:

20代後半、女性、保育士、仕事中は集中できるが、帰るとどっと疲れがきて、すぐに寝てしまう。学生の頃はそんなことはなかったのに、2か月に1度はカゼを引くようになった。運動はしていないが、睡眠、食事は問題ない。ほかの元気な職員との差は何なのか。解決策を見つけたくて検索をかけた。

導入

最近疲れやすいのは、仕事のせいだけではないのではと思う。健康な生活を意識していても、なぜかカゼを引くようになった。やりたいことはあるけれど、仕事から帰ると疲れがどっと押し寄せて、なすすべもなく眠ってしまう。

疲れやすさは体力が落ちたせい?同じ仕事をしているのに、オフの時も元気に動き回っているほかの仲間との違いはなんだろう。

今回は「疲れ」について、それはなんのためにあるのか、何を伝えようとしているのか、原因と意味について考え、疲れとの付き合い方を解説していきます。

疲れるということ

仕事をしたり、スポーツをしたり、初対面の人と話したり。頑張った後には必ず体にどっと疲れがやってきます。疲れさえなければずっと運動していられるのに、疲れなければ明日も仕事を頑張れるのに。みなさん一度はそんな風に考えたことがあるのではと思います。

もし、疲労がなかったら、人の体はいったいどうなるのでしょう。体は運動をし続け、脳は考えることをやめず、そう動き続けた結果、人の筋肉は限界を超えるでしょう。脳は思考に異常をきたすでしょう。疲れは、体をやすめなさい、脳を休めなさいという、自身が発信しているアラートです。

体に傷を受けたときの「痛み」、病気と闘うためにおこる「発熱」、この2つと並んで、「疲労」は人体の3大アラートの1つとして数えられます。

体の疲労と心(脳)の疲労

疲労は大きく、体の疲労と心(脳)の疲労とに分けられます。運動をすれば体が疲れる。これはシンプルな疲労の考え方ですが、例えば大勢の前でスピーチをしたり、お偉いさんに囲まれて会食をしたりした日にも疲労感を感じることがありますね。

俗にいう「気疲れ」というものですが、脳がストレスを感じると、それによって疲労を感じるケースもあります。

人より疲れやすい理由は?

体の疲れと心(脳)の疲れ、これらはどのようにして発生するのでしょうか。

体の疲れやすさ

体の疲労は、まず、運動ですね。運動をすると体の細胞は酸化ストレス状態となります。そうすると体の機能が低下し、疲労感を覚えます。これは説明不要でみなさん経験されていますね。

もう一つが甘いもの、甘いものをたくさん食べると、血糖値が上がる、つまり、血液中の糖の量が増えますが、それによって体は血糖値を下げようとインスリンというホルモンを分泌します。

このとき、普通の食事であれば問題ないのですが、甘いものを食べ過ぎてしまうと、体はインスリンを過剰分泌し、平常時のさらに下まで血糖値を下げてしまうことがあります。そうなると低血糖の症状として脱力感を感じ、からだにだるさを覚えます。

つまり、体の疲労は、体力がないケース、甘いものを食べ過ぎているケースの2通りが考えられるわけです。

心(脳)の疲れやすさ

楽しいことをしていると、どれだけ動いても時間があっという間に過ぎ、逆につまらない事務的な仕事をしていると、1時間がまるで半日かかるかのように、長く感じることもあると思います。眠気を伴ったりする際にはなおさらですね。実際に体にたまっている疲労と、自分の感じている疲労感は必ずしも一致しないものです。

そのため、人より疲れやすいという人は、実際に疲れているのではなく、人より「疲れていると感じやすい」可能性があります。

体への指令は脳から出されますが、それは例えば、食べ物を消化しろ!とか、心拍を速くしろ!といった、生理的な指令も出されており、例えば、接客業や事務職でやることがないとき、時間が長くかんじまうよね。それによって脳が疲れたと認識してしまった場合に、本当は疲れていないのに、脳は、体の感覚を重くしろ!と疲労のアラームを出す場合があります。

これらの生理的な指令は、自律神経という神経を通じなされており、この自律神経のコントロールができなくなると、急な発汗や動悸、呼吸の乱れなど、生理機能に異常をきたすようになります。

疲労についても同様で、自律神経のコントロールが乱れやすい人は、疲労を必要以上に感じてしまったりする、つまり、脳が誤認して疲労というアラートを発してしまう可能性があるのです。

そのため、自律神経を安定させることは、疲労を語る上でもとても重要で、それはすなわち、規則正しい生活をすること、決まった時間にしっかり食事をたべて栄養を摂り、お風呂に入り、睡眠を十分にとることが、とても重要なことになります。

また、ストレスを強く感じる環境にいるのであれば、それも大きな原因となりえます。そんな時は、自身の環境を変えるか、それが難しければ、効率的に自律神経を休める方法を考えましょう。

<ヒトのこころと自律神経>

疲れやすいを東洋医学で考えると

みなさんが病院で受けている、症状に対しての治療は、くくりとしては西洋医学と呼ばれます。症状から原因を推測し、その原因に対して科学的に証明された薬を処方する、という治療法ですね。

一方、鍼灸や漢方、アロマなど、中国、日本、インドなどで発展した東洋医学は、体はそれを構成する「3つの要素」で成り立っており、病気はその偏りや不足によっておこるもの。治療には、その流れを正したり、不足を補ったりすることで、自分自身のパワーを高めることで改善する、という考えのもとで行う治療法です。

疲れやすいという症状は、科学で証明できる部分は少なく、こういった東洋医学の視点から考えるほうが役に立つかもしれません。

東洋医学で、体を構成する要素は「気」「血」「水」の3つに分類され、疲れやすいの症状は「気」の不足、気虚という症状にあたります。

疲れやすいを言い換えれば、元気がないともいうことができますが、つまりは気の元になるものがない、気が不足している、気虚である、というわけです。

「気」とは体のエネルギーを示すものであり、体を病気から守ったり、体温を維持したりする役割を果たします。そのため、気が不足する気虚になると、声が小さくぼそぼそと話すようになったり、冷えやすくなったり、すぐに息切れをしたりするようになります。

気虚に効く食品は穀類やイモ類、肉類など。栄養学的にもエネルギーになるものが中心となります。漢方では黄耆(おうぎ)、大棗(たいそう)などいくつかありますが、中でも有名なのは高麗人参で、気を補う補気の効能を持つ代表的な生薬です。高麗人参についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ一度目を通してみてください。

<高麗人参>

まとめ

今回は、疲れやすい、という病気とはいえないが、多くの人が気にかけている症状についてスポットを当てて解説していきました。それが気分的なものか、生態的なものかはしばしば判断が難しく、自己申告を根拠として薬を処方されるケースも多くあるでしょう。

まずは自分の疲れが何からきているか、本当はそれを知らなくてはなりませんが、体の疲労だけでなく、心も大きく関係しているということは、感覚的にはわかっていても、改善まで意識を向けられる人は少ないのではないでしょうか。

自分の心を大切に、あなたの人生が豊かなものになるための、何かの手助けになれば幸いです。

 

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疲労

知恵熱なんて言葉があります。物事を考えすぎると脳が披露し、一気に高熱が出るという症状ですね。自分も経験したことがありますが、知恵熱という言葉はどうやら正確ではありません。知恵熱とは、乳幼児が、母乳から受けていた免疫を失う1歳前後のタイミングに発生しやすい発熱のことで、ちょうど子どもが知恵をつけ始める時期に発生する症状であることから「知恵熱」と呼ばれます。考えすぎて発熱するから、というわけではないんですね。

ですが、頭をものすごく駆使すると発熱するという症状は実際に発生しているわけで、普通の風の症状と異なり、翌日には一気に熱が下がったりしますよね。

これは心因性発熱と呼ばれ、まさに自律神経の以上、脳が、今自分はストレス下にあると誤認して、体の病原菌に対し戦闘態勢に移行する状態です。もしくは、脳があまりの集中力ゆえに疲労を無視し続けた結果、気が緩んだ瞬間に一気に体にその負荷が押し寄せてくる場合にも、発熱するケースはありますが、この場合は単純にカゼなどを発症しているケースと思われます。

<京大グループ ストレス性発熱>

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