土気色

読者像:

30代男性、独身、喫煙、仕事はきついが生活のために頑張っている。お金をためて、趣味であるギタースクールを開きたい。結婚も考えているが、相手はおらず、夢のために時間を割く中で、少し焦りもある。しかし、状況は良くなく、たばこの本数も増える。最近顔色が悪いねと言われるようになったのは、肌の色にムラがあるから。これはくすみ?もともと肌質は良くなく、どうすれば健康的な肌を手に入れられるのか気になり検索をかけてみた

身近にもお酒を飲むと顔が赤くなる人がいるかと思います。ひどい人では体まで赤くなっていくことも。熱いお風呂に入れば体が真っ赤になりますし、プールに入ると唇が真っ青になったりと、人の顔色は体を流れる血の状態、つまり、血圧や血流の変化をよく反映する特徴的な場所です。

顔が青白いとか、すぐ赤くなる場合は、血の量や、血行の良し悪しで説明することができますが、顔色が土気色に濁っている場合、これは何を原因としてどのような機序で変色しているのでしょうか。

今回は、顔が土気色、鈍く変色しているように見える原因について、そのメカニズムと解決策を探っていきます。

顔の色はなぜ変わるのか?

血流の状態を一番顕著に表すのが顔という部位ですね。恥ずかしいと真っ赤になったり、恐ろしいことが起こると真っ青になったりと、本当に色が変わって見えるのは、顔には表面まで血管が集中して走っているから。鼻の内側の皮膚が切れると大量に鼻血が出るように、ボクシングでまぶたを切られると大量に出血するように、顔に多くの血管があることは身近なことからもよくわかります。そのため、ふとした感情の変化による血流の増減が、顔色に表れているわけですね。

顔が土色に濁るのは、血液に状態が悪く、それが肌に表れてしまっているため。血液が集中している顔だからこそ、血液が不健康になった時、真っ先にその影響が表れてしまいます。

顔色が濁るのは、老廃物を排出できていないから

では、血液が不健康になるとは、どのような状態でしょうか。

体の中には、そのほかにも血管が多く集まっている特徴的な臓器が2つあります。それは肝臓と腎臓です。人はココを損傷すると大量に出血する、血液の要である人体急所の1つです。血液、血管が集中する、つまり、血をつかさどる大切な器官なのです。

まず、極端に肌の色が変わる場合について考えてみると、肝硬変の場合、肌は黄色く変色します。慢性副腎皮質機能低下症の場合、肌は黒く変色します。ですが、ここまで極端に、私は病気だから肌の血色が悪いんだ、と疑っている人は少ないでしょう。

肝臓と腎臓の役割

肝臓の役割は、血中のアルコールの解毒、血糖値の調節、不要となったコレステロールなどの代謝などです。腎臓は、老廃物のフィルター、必要なものと不要なものをえり分けて調節、体の血液や水分のバランスを正常に保つ働きをしています。

つまり、肝臓と腎臓で血液を正常な状態へと浄化しているわけです。この機能が鈍っていると、老廃物が肌の表面まで届いてしまったり、逆に、必要な栄養素が届かなかったりすることで、肌の状態を悪くしてしまいます。

血液をつかさどる肝臓と腎臓の状態が悪ければ、老廃物をコントロールできず、血液の状態を顕著に反映する顔にその影響が現れる、というわけです。少し深く見ていきましょう。

腎臓の役割

ヒトの血液には、様々な機能が備わっています。エネルギーとなる糖を運んだり、栄養素を運んだり、栄養素を運んだり、そのほかにも、血液中の微量栄養素の濃度バランスによって、細胞の内と外の圧力を均等に保ったり、血圧を調整したりするのも血液の大きな役割です。

腎臓は、よく老廃物のフィルターなんて言われ方をします。腎臓には体をめぐる血液が集まるようになっていますが、その時に、この微量栄養素のバランスの乱れを察知して、血液、体液の恒常性を調整しているのです。不要なもの、方となっておるものをここで排除して、それ以外は体のなかに戻していく、それが腎臓の役割なのです。

腎機能が低下している場合、細胞内外の圧力の調節がうまくできないために、手足や顔のむくみといった症状も発症することが考えられます。

塩分過多が腎臓を苦しめる

この血液のバランスを語る上で、重要な栄養素が2つあります。それは、ナトリウムとカリウム、この2つの栄養素は、互いに対をなし、細胞内外の圧力のバランスを保ったり、電荷を調節したりと、体にとって大切な役割を果たしており、腎臓は、そのコントロールもつかさどっています。そのため、腎臓の負荷となるのは、この栄養素の乱れ、塩化ナトリウム、ご存知でしょうか。これはつまり食塩、腎臓に負荷をかけるのは、塩分過多の食生活なんです。

肝臓の役割

肝臓は、人体で最も大きく、とても生命力の強い臓器です。例えば、心臓であれば、右心房、左心房、大動脈弁、肺動脈弁などがあるように、臓器は、その中にも様々な機能を持つ部位が一体となって機能を果たすものが大半です。それに対し肝臓は、それ自体が1つの組織としてほとんど分化なく機能しており、その代わりに、一部が損傷したとしても、その損傷個所を元の大きさまで戻す強い再生能力を持っています。

肝臓の役割には、主に解毒、血糖値の調整、不要となったコレステロールの代謝などがあげられることが多いですが、その役割は実は何百と数えられ、人体の中では、代用の効かない非常に大きな役割を果たしています。

肝臓は、腎臓同様血液が集中する箇所であり、腎臓が血液のpHバランスや、浸透圧といった、血液の水分としての体への適性を保つ役割を果たすのに対し、肝臓はその血液の、栄養素、付加価値をコントロールする臓器と考えるとわかりやすいかもしれません。

肝臓は非常に強い臓器であるため、ウィルスに侵されるなどしない限り、ちょっとやそっとでその異常を表に出すことはありません。そのため、沈黙の臓器と呼ばれることがあります。

肝臓の病気は、耳にしたことのある方も多いと思いますが、脂肪肝、肝炎、肝硬変、この3つは、別の病気というよりは、段階的に起こる病気であり、前述の順序で起こります。

一つ目の脂肪肝は、日本人の2~3割の成人に発症していると考えられており、そんなに縁遠い病気ではないんですね。あなたの会社に10人の同僚がいたとして、そのうち2、3人は発症していると考えると、もはや他人事とは思えませんね。

肝臓にダメージを与えるのは、飲酒が有名です。お酒を飲むときには肝臓をいたわろう!なんて言われますが、実は根底の原因はそこではありません。肝臓の大きな役割の一つに、脂質の代謝がありますが、その許容路用を超えると、それらは中性脂肪に変換され、体の中に蓄えられていきます。

このとき、中性脂肪の保存される場所は、皮膚の下にたまる皮下脂肪、臓器の間にたまる内臓脂肪、そして、第3の死亡と呼ばれる、肝臓の死亡というものがあり、脂肪肝とはその名の通り、まさにこの肝臓にたまる脂肪が原因となっています。脂肪がたまることによって、肝臓の機能が低下、脂質を退社する力が衰え、さらなる脂肪の蓄積につながる悪循環を生む、それが、脂肪肝なのです。

アルコールが肝臓に悪いとされるのも、単純に脂肪をためやすいからであり、油脂や糖質を多く含む食生活を送っていても、それと同等、またはそれ以上のリスクを負うことに変わりはないのです。

顔色を悪くする生活習慣

・喫煙

・ドロドロ血

・味の濃い食事

・脂質の多い食事

ドロドロ血

血液がドロドロになると、血流も悪くなりますし、当然、老廃物等の代謝能力も低下してしまいます。肝臓と腎臓の働きが鈍ったり、それらの処理能力を超えてしまうような不摂生な生活を過ごしていると、血液、血管はどんどん老廃物をため込んでいきます。

糖の増加、ストレスや喫煙による血中の成分の異常、中性脂肪・コレステロールの増加、この章では血が汚れてしまう主たる要因について考えていきます。

糖の増加によって肝臓に負荷がかかる

糖を処理するのは肝臓の役目ですが、糖の量が肝臓の処理能力を超えれば、血中にある糖にも影響が出ます。

赤血球は、健全な状態では、ある程度かたちを変え、血中の多少の障害物もすり抜けて通過していくことができますが、血中に糖が増加すると、赤血球の膜が固くなったり、赤血球同士がくっついたりして、血液をドロドロにしたり、血栓を作る原因となる、という考え方があります。

しかし、この意見については未だ賛否あり、ドロドロ血の決定的な原因となっているとは、はっきり言うことはできないようです。

ただし、糖の増加が肝臓に負荷をかけること、肝臓が血液を健康に保つ要所であることは事実であり、

ストレスや喫煙

ストレスや喫煙によって、血中には多くの活性酸素や有害物質が発生します。すると血中の白血球はそれらを駆除するために粘着性を持ち、血流を悪くする原因となります。カゼをひいたり体調を崩したりすると顔色が悪くなるのはこのためですね。

これらが慢性的に起こっている状態では、顔色が悪いだけでなく、血管の老化も粛々と進んでいます。というのも、タバコなどは特に、血圧を高めることからも血管を傷つける要因となりやすく、その傷から入った活性酸素(正確には活性酸素によって酸化されたコレステロール)によって、動脈硬化を発症するからです。

動脈硬化とはすなわち血管の老化に他ならず、それによって肌に悪影響を与えることは、火を見るよりも明らかです。

タバコを止められれば、一番良いですが、どうしてもやめられない、たまには吸いたい、とのことであれば、体の抗酸化についても一度考えてみたほうが良いかもしれません。

<動脈硬化>

脂質とコレステロール

血がドロドロになってしまう原因として一番わかりやすいはこの脂質、コレステロールの異常です。実際に、高脂血症の患者さんには、このドロドロ血の症状が高確率で見つかります。

こういったことから、血液は徐々にドロドロになっていき、代謝能力が落ちることで、それが顔色にまで反映されてしまうんですね。

血を健康にするために

…………………………………………………………………………

質素食 味のうすいもの

肥満じゃないのに…まさか私が脂肪肝?:日経スタイル

夜中トイレに目が覚めるのは

読者像

30代女性、独身 事務職、仕事は落ち着いている。寝ている間に何度も目が覚める。なんとなく値付けていない漢字はするが、何か病気をしている意識はない。

夜中トイレに目が覚めるのは

特に体調が悪いわけではない。ストレスも適度に解消している。それなのに、眠りが浅いのか、夜中にトイレに行きたくなって目が覚める。夜に目が覚めてしまうことで、朝になっても疲れが取れず、困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。夜中に目が覚めてしまう症状は、尿意、睡眠の2つの側面から考えることができますが、病気でなければその原因の特定は難しく、特に自身では改善の糸口がつかめないこともあるかと思います。

今回はそんな症状を、睡眠、尿意の2つの観点から、また、体の状態を「気」「血」「水」3つの要素のバランスからとらえる東洋医学の見方も交え解説していきます。

睡眠の質

夜中にトイレに行きたくなる原因の1つは、眠りが浅いことですね。意外とすっと眠りに入れても、なぜかトイレに行きたくなって目が覚めてしまう。自分の眠れている、という感覚と、実際に深い眠りについているかどうかには、差があることがあります。眠りは主に、体の睡眠リズムによるものと、眠りを妨げる睡眠物質の影響によるものとがありますが、この睡眠リズムというものは体の中に2つあり、眠りにつくタイミングでその2つを一致させることが大切になってきます。しかし、夜間でも行動が可能になった現代の生活の中では、そのリズムを狂わす要素がたくさんあるんですね。

2つの睡眠リズム

ヒトの体には、睡眠覚醒リズム、新部隊温リズムと呼ばれる2つのリズムが存在します。新部隊温リズムは、もともと動物それぞれが、体の中に持っているリズムであり、ちょっとやそっとでずれることはありません。基礎的な起床時間の11時間後に体温は最も上昇し、22時間後に最も低くなります。そして、この体温が最も低い時間帯に入眠することが、良い眠りを得るために大切なこととなります。

一方で、睡眠覚醒リズムは比較的ずれやすいリズムであり、朝、日光を浴びたり食事をしたりして、体が覚醒、セロトニンという覚醒のためのホルモンが分泌されます。これが、日が暮れると、メラトニンという睡眠ホルモンに変化していき、睡眠覚醒リズムを作り出しています。そのため、起床、入眠時間に極端に変化のある生活をしていると、すぐにリズムはくるってしまうのです。

時差ボケというのはこの最たる例ですね。新部隊温リズムは地球の反対へ行ってもすぐには変わりませんが、セロトニン、メラトニンによる睡眠覚醒リズムは、時差によってタイミングがずれてしまうため、2つのリズムがかみ合わなくなり、体に不調をきたす、というわけです。

この2つのリズムを守るためには、特にずれやすい睡眠覚醒リズムをコントロールする必要があるわけですが、そのためには、寝うる時間を決める良いr、朝起きる時間を一定にすることが大切です。そして、このリズムを調律する細かい要素は、自律神経のコントロールによるところが大きく、寝る直前の食事を控えたり、夜に脳を活発にしてしまう、スマホ操作を控えるなど、脳の覚醒をコントロールする必要があるのです。

ゲームはストレスを解消すると思われがちですが、欲求によって脳を覚醒される大きな要因となっていますし、お酒も、深酒は厳禁、飲むのであれば少量の強いお酒をクイッと飲むなどコツがあったりします。また、呼吸も自律神経と深いかかわりがあるため、眠る直前に悩み事がぐるぐる回りだしたり、妙に頭が冴えたりする人は、特に長い呼吸を意識するとよいかもしれません。睡眠に関してさらに詳しく知りたい方は、下の記事で紹介していますので、一度目を通してみてください。

<不眠症の原因は>